月が主役の夜――バッドマンと囁き声と、静かな別世界
ある夜空を見上げた瞬間、思わず息を呑みました。
月がとっても丸くて、深いオレンジ色に染まっていたのです。
漆黒……いや、黒に限りなく近い紫色の空に浮かぶその月は、まるで神秘の象徴。
月の周りがこんなにも暗いのはなぜだろう。星たちは一つも姿を見せず、ただただ月が空を支配しているような夜。
ふと、「これはバッドマンが飛んできそうな夜だな」と思いました。
ロマンチックだけど、少し怖くて、異世界への扉がひらくような、そんな不思議な気配。
昼間と同じ場所とは思えない、静寂で別世界のような夜。
「月が綺麗ですね」
どこかで誰かが、そんな言葉を囁いている気がする。
その時ばかりは、普段は星に注がれる注目をすべて独り占めした月が、堂々と夜の王者として輝いていました。
そんな、お月様にそっと「おやすみなさい」と声をかけてみる。
明日はどんな日になるのだろう。
ほんの少しだけ違う、ちょっとだけ良くなった隣のパラレルワールドで目覚められる気がする。
そんな思いを抱いてもいい夜。
ありがとう、お月様。今日も、そこに居てくれて。
